2017年4月23日

タンポポの花が咲いて日差しは黄色

タンポポの綿毛(京都市左京区下鴨半木町)

1980年代後半、私は家族を京都に残し、東京で独り暮らしをしていた。雑誌『週刊朝日』のフォトエディターなどをしていたが、仕事上ではある意味で充実していたかもしれない。ただやはり独り暮らしには隙間があったように記憶している。そのころ発表するアテもなく作った歌のひとつが「タンポポ」だった。
タンポポが咲いて
日差しは黄色
あの娘はおかしく
やさしいね

バベルの塔は
目に虚ろ
線と点を
散歩する

花びらひとひら
酒に浮く
言葉の裏に
耳傾け

ランボーは不良かい
詩人は不良なのよ
墓場のダンス
月明り

白い帽子の
手鞠歌
風が吹いて
飛んでゆく

逃げる歌を
追い求め
絵の具がひび割れ
あせてゆく

(1987©Tsutomu Otsuka)
翌1988年、天皇の病状が悪化した。テレビは連日「本日のご容体は…」と報じ、日本中すべてが重い自粛ムードに包まれてしまった。年の瀬の12月末、私は皇居内の宮内庁に駐車していた報道用小型バスの中で、無線電話によって大阪への転勤を命ぜられた。私の東京生活が終り、そして昭和も終わったのだった。


2017年4月22日

ビッグ写真ブログ再構築を楽しむ

Blogger テーマデザイナー

完成したブログ(クリックで拡大)
ボストングローブ紙のブログ The Big Picture に触発されて、大きな写真を見せるブログを作っていたが、閉鎖して作り直した。横幅1024pxといった小さな画面のノートパソコンに配慮、ブログの横幅が1000px、掲載写真の長辺が900pxだった。今度は横幅を1030pxに拡大、1024pxの写真が納まるようにした。写真共有サイト Flickr に写真をポストすると、長辺が1024pxにリサイズされた画像をダウンロドできるからというのも理由のひとつである。閉鎖せずに継続しようと思ったが、グーグルの Blogger は The Big Picture のようにサイズ可変式ではないようなので、一からの再構築になってしまった。ただブログの新規開設は久しぶりなので、ちょっと戸惑った。まずテンプレート(雛型)を選びタイトルとURLを決める。次にカスタマイズするのだが、ダッシュボード、テーマ、カスタマイズと進め、テーマデザイナーを呼び出す。GUI 環境で操作する優れもののウィジェットである。これで横幅の調節、フォントや色の指定をするが、これだけだは細かいデザインができない。例えば Blogger に写真を投稿すると、デフォルトでは枠線が付くようになっている。私のデザインポリシーはとにかくシンプルということなので、余計な装飾は避けたいから消すことにした。それには CSS の変更が必要で、HTML の編集をした。テンプレートに手を加えなくてもブログ運営ができるが、世界でひとつのデザインのブログを作りたかったのである。お陰で楽しみながら再構築できた。

Blogger  ブログ Kyoto Photo Press by Tsutomu Otsuka(京都フォト通信)

2017年4月16日

片腕のフィドル奏者マーシャル・クレイボーン

One-armed fiddler Marshall Claiborne of Hartsville, Tennessee, ca.1926.

これは片腕のフィドル奏者マーシャル・クレイボーンの肖像写真で、ノースカロライナ大学チャペルヒル校が所蔵する「ガスリー・T・ミード・コレクション」(1817-1991)からの転載である。クレイボーンは弓を両膝で支え、左手でフィドルを動かして演奏した。生年月日などは不明だが、写真は1926年ごろ撮影とある。悪魔の箱と呼ばれたフィドルの音楽が好きだった自動車王ヘンリー・フォードが、1926年1月19日、デトロイトでフィドル弾きの大会を開催したが、その頃に撮影されたと思われる。この大会でクレイボーンが3位に入賞、それゆえに記録に残ったからである。ハンディを持ちながら健常者に負けない演奏をした、いわばその離れ技は障碍者に大いなる勇気を与えたと想像する。というのは、その後、片腕のフィドル奏者が続いたからである。そのひとりであるルーザー・コードウェルの演奏のビデオを下記リンク先の YouTube で視聴できる。1953年に収録されたテッド・マックのテレビ番組で、足踏み式の運弓マシンを使って演奏している。

YouTube
One-Armed Fiddler Luther Caldwell playing 12th Street Rag: June 13, 1953, in Kansas City, MO.

2017年4月13日

隠れた枝垂れ桜の名木

京都府立植物園(京都市左京区下鴨半木町)
SONY Xperia Z3

今年は湖北まで花見に出かけたので、例年より京都市内の桜見物はちょっと萎え気味である。それでも気になる枝垂れ桜が京都府立植物園にあるので出かけた。枝垂れ桜といえば、円山公園、平安神宮が有名だが、植物園のそれも隠れた名木だと思う。植物園というと一般には人工庭園を連想しがちだが、下鴨半木(なからぎ)町という地名が示すように、明治時代までは上賀茂神社の境外末社である半木神社とその鎮守の森を中心とした田園地帯だった。敷地内の半木の森は、古代の山城盆地の植生を残す貴重な自然林としてそのままの形で活用するよう設計されている。一本桜の大木だが、ちょうど満開を迎えていた。人々から「大枝垂れ」と呼ばれているだけあって、風格があり、圧倒的な存在感に満ち溢れている。日本で最初の公立植物園として知られているが「日本に京都があって良かった」そして「京都に植物園があって良かった」としみじみ思う。

2017年4月12日

花筏を撮る

京都御所(京都市上京区京都御苑)
Fujifilm Finepix X100

昨日、雨が降ったのでもしやと思い、京都御所に出かけた。3月が寒かったので、今年の桜の咲き具合はちょっと例年と違うのだが、花筏(はないかだ)を見ることができるかと思ったからだ。花筏とは水辺に散った桜が連なって流れるさまを表したもので、実に粋な言葉である。期待はしていなかったが、その光景をカメラに収めることができた。やや陳腐な方法だが、シャッター速度を遅くすると、花筏が流れた感じに写る。私が持ってるデジタルカメラは最低感度が200であるから、このままだとスローシャッターを切れない。光学フィルタ―を持っていないので、内蔵のNDフィルター機能を援用した。電子的に感度を落とす仕組みで、マイナス3EV、すなわち光量を1/8に減らすことできるので、感度25になる。この設定で撮ったら、ご覧のような写真が出来上がった。フレーミングが若干甘いと自分でも思うが、レンズが固定焦点23ミリ、ライカ判換算35ミリで、ズームレンズのような自由が利かない。これもまた一興かなと言い訳しておこう。