2011年3月9日

ゾーンプレート写真の魅力

今年1月16日、積雪の金閣寺参道で転倒、右足首を骨折して以来不自由な生活が続いている。右足に全体重をかけられないので松葉杖の世話になったままだ。ところで最近、娘からニコンのデジタルカメラD80が送られてきた。どうやらソニーαのミラーレスNEXシリーズカメラを買ったらしく、一眼レフが邪魔になったらしい。見ると新品同様で使った痕跡がない。なにか利用方法がないかと考えた末、ゾーンプレート写真にどうかと思いついた。カメラ自体がコンパクトだし、レンズなしで軽いので、自宅近所を散歩、松葉杖に寄りかかりながら花を撮ってみた。

水仙 京都市北区平野宮北町 Nikon D80 + Zoneplate

雲南黄梅 京都市北区衣笠大祓町 Nikon D80 + Zoneplate

ゾーンプレートについては私のホームページに「作成パターン」を解説してあるので、興味あるかたは参照して欲しい。簡単にいえば弓道の的に似たパターンを作り、これをレンズ代わりにするシステムである。レンズレスという観点からピンホール写真の範疇に入れる人もいるようだ。しかし前者が光の直進性を利用して像を得るのに対し、後者は光の回折を利用するので、その原理は微妙に違う。ピンホールカメラの孔は小さいのでシャッタースピードが低速になるが、ゾーンプレートは比較的口径が大きく明るいので、早いシャッターを切ることができる。使用したゾーンプレートはの口径比は約1:64で、感度をISO800くらいに上げると、日中なら手持ちで撮影できる。回折現象が作りだす画像は、トーンが柔らかく独特の美しさがある。

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