2011年5月31日

卯の花の雪崩のごとき咲きこぼれ

ウツギ(空木) 平野神社(京都市北区平野宮本町) Fujifilm Finepix X100

多くの花が姿を隠すこの季節の平野神社、桜池にひっそりとウツギ(空木)が佇んでいた。別名ウノハナ(卯の花)だが、私の年代はこの花から、唱歌『夏は来ぬ』(佐々木信綱作詞・小山作之助作曲)を思い出す人が多いに違いない。
卯の花の 匂う垣根に
時鳥(ほととぎす) 早も来鳴きて
忍音(しのびね)もらす 夏は来ぬ

さみだれの そそぐ山田に
早乙女(さおとめ)が 裳裾(もすそ)ぬらして
玉苗(たまなえ)植うる 夏は来ぬ

橘(たちばな)の 薫るのきばの
窓近く 蛍飛びかい
おこたり諌(いさ)むる 夏は来ぬ

楝(おうち)ちる 川べの宿の
門(かど)遠く 水鶏(くいな)声して
夕月すずしき 夏は来ぬ

五月(さつき)やみ 蛍飛びかい
水鶏(くいな)鳴き 卯の花咲きて
早苗(さなえ)植えわたす 夏は来ぬ
このウノハナはユキノシタ科の落葉低木、茎が空洞なのでウツギ(空木)の名がついたという。わずかに青みがかかった白色を「卯の花色」と呼ぶようだ。従って白色五弁の小花が一般的だが、写真のような紅色もある。陰暦四月を「卯月」と呼ぶのはこの花に由来すると言われている。明日からもう六月、どうやら駆け込み投稿になってしまった。

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