2011年7月9日

ライカM9を凌駕する富士フイルムX-100のマクロ機能

シオカラトンボ(塩辛蜻蛉) 立本寺(京都市上京区七本松通仁和寺街道上る) Fujifilm Finepix X100

梅雨が明けた。ハス(蓮)を撮ろうと思案したが、さて何処へ行こうか迷う。ハスは仏教の匂いがするので、やはり寺院が似合う。京都市観光情報サイトの「花だより」を見ると、大覚寺や天龍寺、勧修寺、そして先日仏足石を拝観に行った法金剛院の名が上っている。いずれもやや遠いので、というか早起きしないと駄目なので、比較的近い立本(りゅうほん)寺に出かけた。水上勉の小説『五番町夕霧楼』の舞台に近い場所にある、日蓮宗の寺院である。余り知られていないようだが、春のサクラ(桜)が見事である。本堂の前に50個はあるだろうか、ハスを植えた甕(かめ)が並んでいる。しばらく観察しているとシオカラトンボがハスの蕾(つぼみ)に止まっていたので、レンズを向けてみた。昆虫の生態には不案内だが、テリトリーを主張しているのだろう、かなり近づいても逃げない。飛び立ってもまた元の所に戻って来る。富士フイルムのX-100は固定焦点で、ライカ判に換算すると35mmのレンズに相当する。だからこの写真は相当接近して撮ったことになる。実はこのような接写は光学式一眼レフにマクロレンズを付けたほうが撮影距離が離れて撮り易い。それでも何とかなるのは、同社が開発した「ハイブリッドビューファインダー」のお陰だろう。つまり光学ファインダーと電子ビューファインダーをワンタッチで切り替えることができるからである。残念ながら前者は二重像合致式レンジファインダーではないが、電子ファインダーに切り替わる点は便利。オートフォーカスのタイムラグが若干あるが、レンズを通した画像を確認しながら撮れる。某海外サイトがX-100を「ライカM9を買えない貧乏人向け」と揶揄していたが、さて、X-100のほうがデジタル技術を活かしていると私は思う。M9のようなフィルムカメラを引きずった、光学式レンジファインダーではこのようなマクロ撮影は無理だからである。

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