2011年8月6日

ピンホールカメラで花瓶に風景を焼き付ける

PhotoGraphy from ShiKai Tseng on Vimeo

これは台湾出身、世界の美術大学の最高峰であるロイヤル・カレッジ・オブ・アートを今年卒業した、ロンドン在住のデザイナー ShiKai Tseng 氏の PhotoGraphy プロジェクトのビデオである。ピンホールカメラを使って風景を花瓶や壺に焼き付ける工程を記録したものだ。暗室で素焼の陶器に感光乳剤を塗り、カメラに入れ、撮影後これを取り出して現像する。フィルムや印画紙と同じである。それでは何故ピンホールカメラなのか? ピンホールカメラは光の直進性を利用するので、フォーカス、つまりピントという概念がない。レンズだと焦点が合ってる部分のみピントが合うが、ピンホールで均質と言っても差支えない。だからは像に歪みが出る可性があるものの、受光面が立体でも差し障りがない。さらに複数のピンホールを開けることができるので、全方向の風景を捉えることができる。このビデオに登場するカメラは、正方形のそれぞれの面、合計四つの針孔を開けているいるようだ。このようにピンホールカメラは、受光面が平らであることを前提にした普通のカメラでは不可能な映像を、工夫次第で得ることができる。

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