2011年10月4日

ずいき祭還幸祭と花街上七軒の思い出

舞妓芸妓と八乙女 上七軒(京都市上京区真盛町)Sony NEX-5 E18-55mm F3.5-5.6

北野をどり(上七軒歌舞練場)1995年ごろ
今日は北野天満宮のずいき祭の四日目、還幸祭があった。中京区西ノ京御輿岡町の御旅所から、鳳輦(ほうれん)や八乙女(やおとめ)、稚児などの列が北野天満宮に戻る行事である。最後は天満宮の東門に入るので、途中、花街上七軒を通ることになる。かつて私はこの花街に通い詰めたことがある。お茶屋「吉田家」の片隅で遊ばせて貰ったわけだが、ここでシンガーソングライター&医師の藤村直樹氏と再会したことは忘れられない。カウンターで彼がつま弾くギターに合わせ、高田渡サンの「生活の柄」(原詩は山之口貘)を何度も歌ったものだ。記憶はやや曖昧だが、確か2001年の春ごろ「吉田家」は店仕舞いをした。女将さんである泰子(ひろこ)さんの健康状態が悪化したためと聞いた。案の定「おっきなおかあはん」である吉田悦子さんから泰子さんが10月に他界したという訃報を聞いたのである。その悦子さんも数年後他界するが、最期をみとったのは藤村氏だ。しかし氏もまた今やこの世にいない。だから私は「吉田家」と供に上七軒から足が遠のいてしまったことになる。そういえば「京都では秋一番の祭」と泰子さんがよく話していたなぁ、ふと思い出した私は、午後上七軒に出かけてみた。お茶屋「中里」の前に舞妓芸妓が並び、還幸祭列を迎えるのだが、あれだけ通ったにも関わらず、このシーンを見るのは初めてだった。明日はずいき祭の最終日、北野天満宮で八乙女田舞が奉納されるが、天気予報が雨なのがちょっと心配だ。

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