2012年5月5日

懐かしき現像剤ミクロファインを使う


Fujifilm Microfine and Kodak D-76

表題はちょっと誤解を受けそうだ。懐かしいというのは名前であって、実際にこの現像剤を使っていたわけではない。ミクロファインの歴史については詳しい資料が見つからないのだが、少なくとも学生時代からあったから相当古いものだと思う。その学生時代、一応写真工学科に所属していたので、このような市販現像剤は使わず、自分で単薬を調合していた。コダックのD-76処方が主であったが、時にイルフォードの処方を模してフェニドンを主薬とした現像剤も調合したと記憶している。新聞社に入ってからは、仕事柄迅速現像液を使ったが、出版部門、つまり雑誌セクションに移ってからはもっぱらD-76で、増感したい場合は富士のパンドールだった。D-76は既成調剤を使っていたが、後に液状タイプのT-MAXデベロッパーも使うようになった。というのは主に使うフィルムをTRI-XからT-MAX400に乗り換えたためで、D-76よりも相性が良い。

仕事柄小型カメラを使うことが多く、使用する黒白フィルムの感度は400のだったが、大判カメラやピンホール写真に傾斜するようになってからはAcros100を多用するようになった。現像剤はD-76。コダックのマイクロドール-XやHC-110 デベロッパーにも惹かれるが、製造中止あるいは特注品となっていて、安定供給にいささか不安が伴うからだ。したがってD-76なのだが、一か月ほど前、カメラ店で懐かしきミクロファインが目に止まったので「試用」することにした。富士フイルムのサイトでデータシートを探したが、どうやらないようだ。その代わり袋の裏に富士の主な黒白フィルムに対する現像時間が印刷されている。小型丸タンク用のデータだが、液温ごとの現像時間は一応参考になる。蛇足ながら、というよりコストの面で重要なのだが、ヨドバシカメラでの価格は1リットル用でD-76は470円、ミクロファインは230円と半額である。

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