2012年8月17日

学園紛争取材の光景が走馬灯のように脳裏をぐるぐる回った


立て看 京都大学(京都市左京区東大路通今出川角) Fujifilm Finepix X100

昨16日の時事通信電子版によると、世論調査で野田内閣の支持率が「危険水域」とされる2割台から、ついに1割台に突入したという。まさにメルトダウン、消費増税、原発再稼働がその決定的要因だろう。私は先の衆院選で「政権交代」に期待、民主党に一票を投じたひとりだが、当初の八ッ場ダム問題のつまずきから始まった、数々の選挙公約の瓦解に呆れるとともに、それは怒りとなった。その怒りが頂点になったのは、やはり大飯原発の再稼働であった。少なく見積もっても、国民の半数以上が反対の筈である。にも関わらず民意を無視した強硬策、次の選挙では大敗、ひょっとすると党の解体に繋がるかもしれない。では自民党が第一党になったらどうなるか。臆面もなく全国の原発を再稼働するだろうし、今より酷くなる可能性がある。もうひとつは大阪の橋下徹が率いる「維新の会」の存在である。自民党の安倍倍晋三元首相に、自民党を離党して合流するよう要請していたことが分かったと報じられている。

現政党に失望した人々が大量投票、圧勝する可能性を否定できない。新自由主義ならぬ新帝国主義の毒蛇がかま首をもたげ、この国を崩壊させかねない。憲法9条改悪の下地を作ってしまうからだ。こうして政局を俯瞰すると、議会制民主主義の危機を痛感する。毎金曜の官邸前のデモはその表れだが、人々の怒りがこの先どのように国政変革に及ぼしていくか私には予測できない。昨日、法然院からの帰り道、京大前を通ったら反原発の立て看があった。昔の懐かしい「ゲバ文字」もどきで、かなり優しい書体だった。これからの日本を背負う学生たちが保守反動勢力に翻弄されては元の子もない。京都の大学が右傾化に飲み込まれず、リベラルな学生運動、平和運動の砦であり続けて欲しいという気持ちがよぎった。立て看にレンズを向けた私の脳裏の中で、1960年代末から70年代初頭にかけてここで学園紛争を取材した光景が、走馬灯のようにぐるぐる回り、不覚にも涙がこぼれそうになった。

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