2012年10月27日

東京都政から逃げ出した親バカ石原慎太郎


石原慎太郎東京都知事が一昨日25日辞表を出した。愛読ブログ『世に倦む日日』は最新エントリーで「昨日(10/25)の奇妙な騒動は、どう考えても、石原慎太郎の都知事辞任が事件であるのに、マスコミはそれを石原新党結成のニュースとして派手に報道で扱った。知事を突然放り出した緊急会見なのに、新党立ち上げの祝祭イベントのように演出して大きくテレビで放送した」と書いている。まさに慧眼であるが、所詮マスコミはお先棒を担ぐか、挙げ足を取るか、そのどちらで棲息しているのである。私たちはその行間を読めばいいわけだ。御年80歳で新たな政党を立ち上げるそうだが、その年齢に関してはある種感服する面もないわけではない。知事選があったのは昨年の4月で、わずか1年半でその職務を放棄したことになる。中日新聞の昨日のコラム「中日春秋」を引用しよう。
森喜朗元首相が産経新聞のインタビューに興味深い内情を暴露していた。昨年四月の都知事選に出馬する意思のなかった石原慎太郎知事を、前自民党幹事長で長男の伸晃氏と二人で説得したという。「ここで降りたら党幹事長でもある伸晃君のためにならない。彼の首相の芽はなくなるよ」。森さんのこの言葉が効いたのだろうか。夜中まで説得して翻意させたという。石原さんは「必ず息子を頼むよ」と言ったそうだ。総裁選で森さんが伸晃氏を支持したのには、そんな事情があったらしい。息子が総裁になれなかったことで事情は一変したということだろうか。親バカという「我欲」から四期目の知事選に出馬した石原さんがきのう、任期半ばでの辞職を表明した。
突然の辞任騒ぎは様々な余震を起こしているようだ。まず頭に浮かぶのが、尖閣諸島を買うと言い出して集めた14億円余りの寄付金はどうするのだろうか。宙に浮きつつある築地市場移転計画をどうするのだろうか。そして2020年の夏期オリンピック招致をどうするか、などなど放置できない懸案が残っている筈なのだが。オリンピックに関しては、これまで石原知事の個性で世間の関心をつなぎ留めてきただけに「都知事が代われば選考レースの行く末にも影響する」と不安の声が上っているという。私が都民だったらオリンピック招致に反対するだろうから、開催されなくとも良いとは思っている。しかし前回2016年の招致の際、当初の55億円(東京都負担は15億円)だったものが、150億円に膨れ上がり、そのうち都の負担は100億円にものぼってしまった。2020年開催招致には同程度、あるいはこれ以上の費用がかかると予想されるが、勝ち目はないと思われる。ひょっとしたら、これを恐れて石原は東京都政から逃げ出したのもしれない。

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