2012年10月3日

従軍慰安婦問題を歪曲する橋下徹と安倍晋三


三猿は賢者の象徴だがこの猿たちは愚者である

野田改造内閣の発足を受けて朝日新聞社が実施した世論調査の結果が朝刊に載っていた。それによると「野田佳彦首相と自民党の安倍晋三総裁のどちらが首相にふさわしいかを聞いたところ、安倍氏が39%で、野田氏の34%を上回った」という。そして「大阪市の橋下徹市長が代表を務める日本維新の会は比例区投票先では4%だった」そうだ。維新の会は国政進出に際し「大阪」から「日本」への冠を変えたが、実態は代表に権限を集中させた「橋下維新の会」である。いわゆる橋下人気に乗じた団体で、維新の会の失速はその人気の失速と同義であろう。舛添要一新党改革代表が「現代ビジネス」で「日本維新の会も、これまでの飛ぶ鳥を落とすがごとき勢いを失い、国民が離反し始めている。橋下氏の動きはノイマンのいう《恒久革命》であり、常に運動していないと止まってしまう。ペダルを踏むのをやめれば、自転車はとまる。だから彼は、常に発言を続け、十分な知識がない問題でも、思いつきで何でも答えてしまう」と喝破している。橋下徹は問題を含んださまざまな言動を残してきたが、その中で印象に残っているのは、韓国の李明博大統領の竹島(韓国名独島)訪問などについて、「従軍慰安婦という大きな課題がある」とした上で、政府の公式見解である「河野官房長官談話」について「河野談話は日韓関係がこじれた一番の問題」として「単に証言があればいいということではない」と河野談話の信憑性を疑う発言を行ったことである。

要はつまり「慰安婦が軍に暴行、脅迫を受けて連れてこられた証拠はない。あるなら韓国にも出してもらいたい」ということだったが、これに対し元慰安婦の金福童さんが大阪市役所を訪れたが、面談を拒否されてしまった。これには対し批判が集中、仕方なく「要望があればお会いしたい」と釈明したが、最終的には会うことがなかった。私からみれば「逃げた」のである。このような卑怯な行為に人々は気づきつつある。それが人気に陰りをもたらし、維新の会の失速を招いているのである。ところで安倍総裁の誕生で自民党が復権しそうな気配である。同志社大学大学院グローバルスタディーズ研究科内の「女性・戦争・人権」学会の慰安婦問題に対する声明は「橋下市長の発言が、石原都知事のそれと呼応し、さらに彼が安倍元首相とコンタクトを取っていることを見逃すことはできません」と指摘している。安倍晋三は2006年に首相に就任した際、河野談話撤回の発言をしている。再び彼が首相に返り咲いたら、同じ主張を強く打ち出すに違いない。というのは5年前より、はるかに世間の「右傾化」が著しいからだ。政治から目を離せない。

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声明「河野談話」を再認識することで堅持し「慰安婦」問題の真の解決を!(「女性・戦争・人権」学会)

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