2013年1月2日

ジョブスが嫌ったタブレット端末用スタイラスペンだけど


ウォルター・アイザックソン著『スティーブ・ジョブス』ペーパーバックス版下巻)P39~40に以下のような記述があった。"目の敵にしたのがニュートン――手書き文字が認識できる携帯端末――である。(途中略)スクリーン専用のペン=スタイラスペンを使うのが嫌だったのだ。「神は我々に10本のスタイラスペンを与えたもうた」と指を動かし、「これ以上、発明するのはやめよう」と主張したのだ。" これはひとつの哲学だと思う。若い頃はヒッピーだったジョブスは東洋思想に傾倒、インド放浪をしている。私もインド旅行したが、英国に留学したことがある政府の高官と食事をする機会を得たことがある。テーブルのナイフやフォークを退けた彼は、指で食べ物を摂り始め「器械を使って食べても美味しくないからね」と微笑んだ。ジョブスもひょっとしたらこの考えに近いかなと思っている。一方、彼はタッチパネルインターフェースのiPadが子どもたちからあの重い教科書を解放するという意味のことを述べている。確かにタブレット1個だけの授業が可能かもしれない。日本では紙でないと教科書として認可できないらしいが、これは早急に再検討すべきだろう。もし実現した場合、ジョブスの哲学に反して、やはり様々なシーンでペン入力の必要性が生まれると私は想像する。テキストブック兼ノートを想定したタブレットを考えてみよう。指だけだと設問に対する回答欄が○×式に陥り易くなる心配がある。

文字入力を求められた場合、変換を必要としない欧米語などはいいのだが、日本語の場合どのような入力方式にするかという問題が生じてしまう。例えば小さな子どもにローマ字入力を求めるなら、ローマ字を教えなければならない。それ以前の問題として、漢字はワードプロセッサで呼び出せても、書けなければ知っているとは言えない。きっとそれは変換の必要がなく、数が少ないアルファベットでも同じことが言える。となればやはり手書き文字が認識できる端末、スタイラスペンを使うタブレットが望ましいと思うのである。文字入力だけではなく、ペンを色鉛筆や絵筆に変換できる機能があれば細かい作業ができる。以上は子どもを対象とした話だが、無論、大人の世界にも当てはまる。昔から画像処理や設計図作製用ソフトなどの補助ツールとしてタブレットがあり、プロに利用されてきた。そのノウハウを活かしたタブレット向けスタイラスペンがワコムから商品化されている。テン・ワン・デザイン社のiPad用スタイラスペンも注目を浴びているようだ。ここで気づくのはiPad自身はスタラスペンを拒否しておらず、Bluetooth対応キーボードなどと同様、標準装備にしていないだけだ。しかしタブレットを、誰でも持ってる指で使えるシンプルなツールと考え、スタイラスペンを忌み嫌ったジョブスが生きていたら、これらのサードパーティー製品を罵倒したに違いない。とはいえ興味深いツールだ。それほど高価なものではないので、どの程度の実力か知るために、1本購入しようかと思っている。

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