2013年2月8日

詩人エミリー・ディキンソンの新発見肖像写真の真偽


Emily Dickinson 1846 or 1847
意外と馴染めないものに詩がある。ずいぶん前に萩原朔太郎の詩集を手にしたことがあるが、ろくに目を通さずに挫折してしまった。日本の作家のそれがこの体たらくだから、海外のものは尚更である。ウィリアム・ワーズワースに挑戦したことがあるが、これも見事途中下車してしまった。ところが最近入手した亀井俊介編『ディキンソン詩集』(岩波文庫)はちょっと違う。薄い装丁なので、何となく読破できそうなのだ。一編が比較的短く、しかも対訳であるのが好ましい。詩の内容はかなり難解だが、一日一編ぐらいのペースで拾い読みしている。ところでエミリー・ディキンソンの肖像写真は1846年ないし1847年に撮影された左の画像が唯一のものといわれてきた。上の写真はウィキペディアからダウンロードしたものだが「1859年頃のエミリー・ディキンソン」と断定している。ところが英語版には、マサチューセッツ州アマースト大学が昨2012年9月、ディキンソンとその友だちスコット・ターナーの1859年ごろのダゲレオタイプ写真だと公表したものだが、確証は今のところない、という意味の説明がついている。AP通信が昨年の9月に「エミリー・ディキンソンの2枚目の写真が見つかる?」と報じたが、日本では評判にならなかったと記憶している。アマースト大学のホームページに「世界は私たちを理解していない」という一文を掲載、その信憑性を主張している。両方の写真を高解像度スキャンし比較したところ、身体的特徴が一致したしたというのだ。またダートマスヒッチコック医療センター眼科医スーザン・ピピン博士が両方の画像の目を検討し、一致するとを宣言したという。この写真に対しての疑問は1850年代にしてはディキンソンの服が古すぎるという主張である。ただ彼女は服装に関しては流行に無頓着の女性だったので、古い服を着ていても不思議ではないという意見もあるようだ。同大学は服のパターンを分析しているが、この点に関しては確証を得るに至ってないようだ。確かに似てはいるが、違う人物にも見える。写真は閲覧可能で、手がかりになる情報を寄せて欲しいと呼び掛けている。

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