2014年3月26日

アフリカ系アメリカ人の奴隷生活を描いたイーストマン・ジョンソン


それぞれの国における、ある人物の知名度は、インターネット百科事典ウィキペディアに反映しているような気がする。アメリカの南北戦争(1861-1865)時代の画家、イーストマン・ジョンソン(1824-1906)に関しては英文のそれが詳しいが、日本語語版はない。日本では余り知られていないかもしれない。1849年、デュッセルドルフアートスクールに学び、17世紀の画家ミレーの影響を受けた。ニューヨークのメトロポリタン美術館の共同創立者として知られ、リンカーン大統領など著名人の肖像画を残している。しかし彼は無名の人々へも視線を注いでいる。注目すべきは、奴隷解放令以前の、南部のアフリカ系アメリカ人のコミュニティ、つまり奴隷生活を記録していることだ。私が特に興味を持ったのは、バンジョーやフィドルといった楽器が登場する絵である。特にバンジョーは、そのルーツを西アフリカに求めることができるが、南部のコミュニティの中でのそれを写した写真を見たことがない。そういう意味でも、大衆音楽史の貴重な記録絵画である。

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