2014年8月6日

セシル・ビートンの英王室写真の華麗

エリザベス王女  バッキンガム宮殿 1945年 ©Cecil Beaton

英国の写真家セシル・ビートン(1904-1980)といえば、ファッション雑誌『ヴォーグ』や『ヴァニティ・フェア』で活躍、グレタ・ガルボやマリア・カラス、オードリー・ヘップバーン、マリリン・モンローといったハリウッド女優のポートレートで知られる。また衣装デザイナーとしても才能を発揮、1964年の『マイ・フェア・レディ』ではアカデミー賞衣裳デザイン賞を受賞している。しかしなんといってもセシル・ビートンといえば、やはり英王室における宮廷写真家としての地位を確立したことである。ポール・ヒル、トーマス・クーパーのインタビュー集『写真術』(晶文社1988年)によると、バッキンガム宮殿に招かれ、滞在中のギリシャのオルガ王女に写真を撮るように頼まれたのが最初だったようだ。もしかしたら英王室は彼の存在を知らなかったかもしれない。そして三日後にエリザベス王女(1926-)とその母エリザベス・ボーズ=ライアン王妃(1900-2002)を撮ることを依頼される。これを皮切りに、英王室全員を撮るようになったのである。写真は1945年に撮影された王女時代のエリザベスII世だが、美しい。華麗の一言に尽きる。

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