2014年10月4日

悩ましい日本語長音のローマ字表記

ブリタニカ百科事典電子版

私の姓は「大塚」だが、パスポートやクレジットカードには "OTSUKA" と印字されている。これをそのまま読めば「おつか」となり「小塚」と区別がつかない。振り仮名をふる場合は「おおつか」なので "OOTSUKA" が正しいと思うのだが、ヘボン式ではダメらしい。実際の発音は「おーつか」だから、パスポートでは2004年4月以降から "OHTSUKA" と表記できるようになったようだ。ケネディ大統領が銃撃を受けた際、隣に座っていたジャクリーン夫人は「オー、ノー」と叫んだそうである。英語では "Oh, No!" と書く。あくまで英語式の綴りなので、日本語の表記方法であるローマ字で "OH" を「おー」と読ませるには無理があると思う。

ローマ字表記分類
それでは「京都」はどうだろうか。読み方は「きょうと」だから訓令式に "KYOUTO" としたいところだが、英字新聞はじめ一般に"KYOTO"と表記する。これじゃ「きょと」となってしまう。たまに "KYŌTO" と長音記号をつけた表記も見かけるが、ごく稀で普及していると思えない。それではなぜ "KYOTO" なのだろう。これには二つの理由が考えられる。ひとつは日本語では「オウ」と「オオ」を区別しないこと。そして英語が「音を伸ばす」という概念を持たないことに要因があるようだ。何故こんなことを書くのか。私は写真共有サイト Flickr やソーシャルメディア Faceboo kに写真をポストする場合、地名その他を外国人に分かるようにローマ字で書いている。例えばずっと長い間京都の「四条通り」を "Shijo-dori" と書いていたが、最近は "Shijō-dōri" と表記するようになった。しかしながらこの方法が果たして適切なのかどうかちょっと自信がない。というのは外国人、特に英語圏の人々が、私が意図したように発音するか分からないからだ。蛇足ながらブリタニカ百科事典電子版では「京都」を "Kyōto" と長音記号をつけている。

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