2015年2月13日

過激派組織ISの英字機関誌最新号を読む

DABIQ #7 の表紙

過激派組織IS(イスラーム国)の英字機関誌"DABIQ"の最新第7号が、画像共有サイト"JustPaste.it"に昨日12日に掲載されたので、ざっと目を通してみた。表紙に「私はシャルリー」のポスターを持ったフランスのムスリムの写真を掲げている。単にこの写真を見ると「なんだ、ムスリムも風刺新聞シャルリー・エブド紙襲撃テロを誹謗してるじゃないか」と解釈しそうだが、同誌は「偽善から背信へ」というタイトルをかぶせている。つまり皮肉と批判を込めているのである。巻頭記事では、ふたりの日本人殺害に関し、身代金目的ではなく、日本政府を辱めるのが目的だったと書いている。そして日本は平和憲法があるにも関わらず、アフガニスタン戦争で米軍などを後方支援、イラク戦争では自衛隊を派遣したと説明している。またヨルダン軍パイロットに対する火あぶり処刑がイスラームの教義に反するという非難に対しては、有志連合軍の空爆で住民が巻き添えで焼死、同じ方法による反撃であると反論、正当化しようとしている。機関誌の体裁を見ると、明らかに経験を持ったプロの編集者の手によるもので、広報戦略の一端を窺い知ることができる。誰でも閲覧できるが、残酷な写真も含まれているので、この点は要注意である。

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