2015年10月19日

オヤジバンドそして限界芸術論


上掲フライヤーは京都の楽器店JEUGIAが主催する「第36回オヤジバンドライヴパーティ出場者募集」である。応募資格は40歳以上のメンバーが含まれているとあるが、実際にはもっと高齢者を含んだバンドが出場するとみられる。リタイヤした人々が昔に帰り、バンドを結成と言う話をよく聞く。バンドではなく、ひとりでも、ライブハウスなどに飛び入り出場する人も増えてるようだ。もう30年前になるだろうか、京都のライブハウス『拾得』の「アコースティック飛入りライブ」に何度か出場したことがある。最近、経営者のテリーさんに「まだやってますから、また演りませんか」と誘われた。同じような企画はフォークソング居酒屋『明日(めいびー)』やカフェ&バー『天Q』などでも行われている。特長は素人が素人相手に演奏することである。素人とはすなわち非専門家であるが、去る7月に他界した哲学者の鶴見俊輔さんの『限界芸術論』(ちくま学芸文庫)を思い出す。鶴見さんは芸術概念を三つに分けて考えた。専門家同士でやりとりされる「純粋芸術」、同じく専門家がつくり、非専門家が消費する「大衆芸術」、そして非専門家のあいだで交わされる「限界芸術」である。芸術と言うと何か庶民とは遠い存在と考えがちだが、その概念を広げた。一般にコンサートといえば専門家、すなわち職業音楽家の演奏を非専門家、すなわち一般大衆が聴くという構図になるが、まさに「オヤジバンド」や「飛び入りライブ」は限界芸術の世界と言えそうだ。さて楽器の練習をしよう、少年易老学難成、一寸光陰不可軽。

PDF  オヤジバンドライヴパーティ出場申込書の表示とダウンロード(PDFファイル 740KB)

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