2017年3月20日

映画 "Songcatcher" のサウンドトラック盤に痺れる

Vanguard CD 79586-2

DVD "Songcatcher"
映画 "Songcatcher" のサウンドトラックCDを入手した。映画そのものは2000年にリリース、日本では「歌追い人」と題して2003年に公開された。翌2004年に DVD が発売され、私も購入した。今年の2月に「南部アパラチアで英国古謡を蒐集した民謡研究家」と題した記事を投稿したが、映画は史実と違っている。ハリウッドの娯楽映画と割り切れば良いのだが、どうにも我慢できず、2回しか視聴していない。しかし収録されている音楽の魅力を反芻したくなり、音楽のみを抽出したサウンドトラックCDを入手した次第である。聴き込んでみると、新たな魅力に痺れてしまった。ジャネット・マクティア演ずる音楽学者リリー・ペンレリック博士は、明らかにマサチューセッツ州ウェストメドフォード生まれの民謡蒐集家、オリーブ・デイム・キャンベルがモデルである。リリーはこのアパラチア山岳地帯で教師をしている妹を訪ねたのだが、孤児のデラディス・スローカムが歌った "Barbara Allen" を聞いて驚愕する。アイルランドやスコットランドからの入植者達によって持ち込まれ、本国でも既に失われているこれらの歌が、世間と隔絶したこの山の中で、ほぼ原型のまま人々によって歌い継がれていたのだ。孤児を演じたのはエミー・ロッサムで、吹き替えなしでこのスコットランド古謡を歌っている。調べ直したら、エミーは1986年生まれ、幼い頃からオペラを学び、7歳からメトロポリタン歌劇場の舞台に立ったことがあるという。これが映画2作目で、当時14歳だった。このCDアルバムの中では、そのエミーとカントリー・ミュージックの第一人者、ドリー・パートンのデュエット "When Love Is New" が秀逸である。サウンドトラック盤であることに関わらず、ジャケットのサブタイトルに、映画からインスパイアされた音楽とある。パット・キャロルやロザンヌ・キャッシュなど、豪華なメンバーによる、映画をソースにしつつ、独立した音楽アルバムと解釈することにした。所持してるCDのベストアルバムに躍り出た感がある。

Blogger  Songcatcher: Music From And Inspired By The Motion Picture

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