2017年6月26日

モノクロ写真のカラー化で歴史が生き生きと蘇る


How Obsessive Artists Colorize Old Photos (7:05)

歴史的な写真は普通、モノクロの世界である。カラー写真は1861年という早い時期に試みられたにも関わらず、20世紀の後半まで主流にならなかった。しかし現在では鮮やかな色彩に溢れているため、モノクロ写真は私たちと歴史の間に感情的な隙間を作っている。従って過去は異質なもので、現在との関連が難しい、あるいは完全に理解し難いものになっている。それでは過去をカラーで見たらどうだろうか? 写真のカラー化によって、時間の境界が突然なくなり、今ある世界じゃないかと錯覚してしまう。ロンドンに本拠を置く「ダイナミクローム」のジョーダン・ロイドは、カラー化で歴史を蘇えらせる、執拗な完全主義者のひとりである。「色が失われていると、構図全体を見るのですが、色を追加すると、やや異なったやり方で写真を見るようになる。細部に興味を持つようになるのです」とジョーダンは知覚の変化の理由を説明している。新しいデジタル技術は、アーティストが手作業で着色する従来の方法よりも、遥かに正確に画像を再構成することを可能にした。しかしジョーダンは「やることが多い」という。その時代の色やスタイルを忠実に表現するために、日記や回想録、政府記録と広告などの歴史資料を読み、歴史専門家に相談する。元の画像のダメージを修復し、数百の色のレイヤーが写真に追加され、ブレンドされる。 これは時間がかかり、骨が折れるプロセスである。一枚の写真を仕上げるため、最長一ヶ月近くもかかったことがあるそうである。

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