2017年9月13日

京都市民と観光客の冷たい戦争

スーツケースを持って市バスに乗り込む観光客(京都駅バスターミナル)

京都市は外国人観光客らの増加による混雑解消のため、市バスの大半の区間が乗り放題になる1日乗車券を来年3月から、500円を600円に値上げする方針を決めたそうだ。スーツケースを持った外国人観光客らが増え、市民から「バスに乗れない」などの苦情が相次いだからだという。市交通局によると、値上げで市バスの1日当たりの乗客数は5,500~9,300人減る見込みだそうだが、それほど減らないと想像している。市バスの初乗り運賃は230円で、依然1日3回乗れば元が取れるからだ。スーツケースの件だが、私は何度も目撃しているが、確かに混雑した車内では迷惑ではある。観光客の増加で収益が上っていると想像されるが、税金で賄っている市バス、市民の不満も理解できる。到着した駅からタクシーに乗ってくれれば問題ないのだが、様々な事情が混在する。出費を抑えるというのが第一の理由だろうけど、タクシー運転手を信用しない外国人が結構いるようだ。すなわち遠回りすのではないか、運賃をボラれるのではないかと疑うというのである。いずれにしても市民と観光客の間に冷戦があるのは確かなようである。スペインで最も多くの観光客が訪れるバルセロナや、世界的な観光都市であるイタリアのベネチアなどで、相次いで住民による観光産業に対するデモがあったと報道された。バルセロナの場合、160万人の住民に対して年間3200万人もの観光客が訪れているという。実に人口の20倍もの観光客が押し寄せているのである。ベネチアの場合は人口の何と400倍だそうである。さすがに京都はこのレベルに達していないが、市民の不満がくすぶっていることは事実である。

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